最近の飲食店の傾向として、どこに行っても全国隅々まで、チェーン展開やフランチャイズ展開をしている飲食店が軒を並べていることが挙げられる。
牛丼屋、ラーメン屋、カレー屋、うどん屋、そば屋、定食屋、たこ焼き屋、居酒屋、ファミリーレストラン、ハンバーガー屋、カフェ、コンビニエンスストアといった具合に。
その特徴としては、どこで食べても、同じ味、同じ金額、同じサービスが受けられることである。従って、顧客は不安を感じることなく、また、後悔をすることもなく空腹を満たすことができる。これが、チェーン店のいいところである。多くを期待しない顧客であれば、十分に満足できるのではないだろうか。
私も、ついつい時間がないことや、深夜開いている店がないことを理由に忙しい時期には、頻繁に利用している一人である。「安かろう、悪かろう」というのは今や昔の話。「安くても、まあまあ」と思えることによって、費用対効果としては立派に成立しているのである。(化学調味料や米のまずさは我慢するとして)
多くを期待するとは、本物の素材や健康志向の食材・調味料、内装、雰囲気、食器、接客などを要求することになる。
ただ、チェーン店においても、衛生面や接客態度においては、ある一定レベルは超えていると思われる。たばこを銜えながら作業するスタッフや挨拶ができないスタッフを見たことがない。気持ちがこもっているかはさておき、チェーン店でない店のほうが、よっぽど腹の立つことが多かったりすると思うのは私だけであろうか(苦笑)。
そうなると、単独飲食店は今後、おいしくて当たり前(プロが作っているのだから)である。そしてとにかく特化すること、差別化すること、また、行き届いた接客に勤め、奉仕することに重点を置くべきである。そういう意味で、これからは、「飲食業」ではなく、「奉仕業」というべきで、そこに素人とプロフェッショナルの違いを見せつけなくてはならない。