これまでいわゆるオーナー企業については、主として社長に対して支給する給与額のうち給与所得控除相当部分を法人段階で損金不算入とする措置がとられてきました。この制度は、平成２２年４月１日以後終了する事業年度より廃止されます。

　タックスヘイブン税制とは、税率の低い国に子会社を作りそこに利益を残して、日本での課税を避けることを防止する措置です。これまで、税率の低い国とは、法人税率２５％以下の国となっておりました。しかしながら、各国の法人税率の引き下げにより、たとえば中国（２５％）、ベトナム（２５％）、韓国（２２％）に進出している子会社までもが判定の対象となるため実態にそぐわなくなっておりました。今回、税率の低い国の定義を法人税率２０％以下の国とすることになりました。この適用は、外国子会社の平成２２年４月１日以後に開始する事業年度からになりますので、事実上の適用は平成２４年３月期からとなるケースが多くなります。
　また、これまで、株式等の保有割合５％以上の外国関係会社が対象でしたが、１０％以上に引き上げられます。
　さらに、実体のある事業統括海外子会社、物流統括海外子会社を適用除外にすることになり、日本企業による更なる海外市場の開拓、その果実の活用に弾みがつくことになります。
　一方、適用除外となる子会社でも、資産性所得（株式の配当、債券の利子、特許料など）については、合算して日本で課税することになりました。

　平成２２年税制改正により自動販売機による消費税還付への対抗措置が講じられました。
　自動販売機に対する措置ではありますが、駐車場収入の先行、一時的な売上高の計上など、家賃収入以外の収入を利用した還付策は実質的に封じられることとなりました。「消費」税という税の性格上は誤った改正であると思いますが、法律が改正されればそれに従うしかありません。
　注目すべきは、その適用期間です。平成２２年４月１日以後に課税事業者を選択した事業者の同日以後に開始する課税期間から適用されます。（資本金1,000万円以上の法人は別途規定があります。）