今年の年末を以て利用できなくなる特例の一つにみなし取得費の特例があります。
　これは、平成13年9月末以前に相続や贈与で譲り受けた上場株式を売却する場合、取得価格（買値）を平成13年10月1日の終値の80％とみなすことができるという特例です。
　通常株式を売却した場合の税金は売値から買値を引いた差額が利益となりその利益に税率を乗じて計算しますが、相続などで株式を取得した場合この買値がわからない場合があります。
　そういう場合にこの特例を利用し買値を決定するのですが、特例を利用するには今年の末までに株式を売却する必要があり売却が来年以降になりますとこの特例が利用できず買値は「売値の5％」、つまり売値の95％相当額が利益となってしまう可能性があります。
・平成13年9月以前に上場株を取得
・買値がわからない
・近々に売却予定がある
　この三つに該当する方は担当者にご連絡ください。

　今年7月、最高裁判所は年金形式で受け取る生命保険金のうち相続税の課税対象となった部分については、所得税の課税対象にならないとする判決を下しました。
　これにより、過去5年間のうち、所得税を納めすぎている場合その所得税が還付されることとなります。そのほかにも、住民税や国民健康保険税が減額になる場合があります。
　対象となるのは、相続、遺贈または、個人からの贈与により取得した保険年金を受給している方です。還付対象者には各保険会社から通知書が発送されますが、住所変更などで通知書が届かない場合は各保険会社に問い合わせが必要になります。
　還付には手続きが必要となり、過去5年のうち還付の対象となる年度において、確定申告をしている場合は更正の請求、確定申告をしていない場合は確定申告をする必要があります。
　中でも更正の請求ができる期限は5年間ですので平成17年分を確定申告している対象者は平成22年12月末が期限となりますのでご注意ください。
　平成12〜16年分については現在、還付措置が検討されています。