謹賀新年。
本年もよろしくお願い申し上げます。
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すばらしい経営
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「すばらしい経営」とは、何でしょうか?「売上が大きい、利益率が高い、ヒット商品を作っている、社員の給与が高い、親切なサービスに徹している」など、組織がすばらしいと思われる状態はいくつもあります。しかし、本当にすばらしいと言える経営とは、自己実現を目指した経営を言うのではないでしょうか。つまり、経営の価値観、目的を明らかにしなければ、「すばらしい経営」は実現しません。
そのためには、しっかりとした「ビジョン」を持ち、「価値前提」の経営を考え、経営課題を抽出し、組織的に取り組むことが必要です。
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■ 経営者とは
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真の経営者とは、常にイノベーション(変革)を行う人をいいます。事業を単に継続的に経営するだけでは経営者でなく管理者といわれます。
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■ ビジョン
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ビジョンとは、企業活動とそこで働く者の人生を形作る哲学であり、行動規範となる価値観や原則をいい、経営理念ともいわれます。
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■ 価値前提の経営 |
自らが大切に育んでいきたい価値に基づいて考えるのを価値前提といい、これは目的実現型です。
価値前提の経営は、組織の「望ましさ」は何か、組織はどこを目指すのかを明らかします。長期的で恒常的な目標を設定し、それを目指した経営です。事実を長期的目標からとらえて意味を明らかにしていきます。@顧客本位A独自能力B社員重視C社会との調和は不可欠です。これに基づき、経営課題が生まれます。
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■ 重要成功要因 |
経営課題を達成するためには、重要成功要因が必要です。重要成功要因とは、「現在までの成功をもたらした理由」ではなく、「今後の成功を得るために重要な要因」をいいます。また、その要因は、新たに獲得すべきものとは限りません。足りないものばかりに着目すると、現状のあら探しになりがちです。むしろ今すでに持っている能力や経営資源(人・物・金・ノウハウ)を活用する方が成功につながるのではないでしょうか。
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■ 木こりの話 |
ハーバード大学のスティーブン・R・コヴィー教授の「7つの習慣」という本に、森の木こりの話があります。
ある旅人が森を歩いていて、木こりに出会いました。あまりに懸命に木を切っているので、旅人が「いつから木を切っているのですか?」と尋ねたそうです。木こりは「5時間以上休まず木を切っている」と無愛想に答えました。旅人は「少しは休んでみたらどうですか、ついでに欠けたのノコギリの歯を研いたほうがいいのでは」と話しかけますが、木こりは「忙しくてそんな時間はない。切るのに精一杯だ」と答えた、という話です。
何も考えず、ただ目の前の仕事を忙しくこなしているだけでいいのでしょうか?
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■ 成熟度 |
経営には、成熟度というものがあります。
一般的に成熟度が低い組織では、そもそも意識がなく、こうした組織では「問題ない」「今まで通りでうまく行くはず」「それどころでない」というのが常套句となっています。
少し成熟度が上がると、「利益をあげろ」(結果志向)という会話が上位下達でなされ、「ルールを守れ」(標準化のはじまり)。そして失敗が起きると「みんなで一所懸命フォローする」ようになります。しかし、体系だった方法でないため、また同じ間違いを犯してしまいます。
さらに、成熟度が上がると、「プロセスに着目」(プロセス志向)、「二度と起こらないようにしよう」(再発防止)、「過去の失敗に学ぼう」「お客様の声を聞こう」「他社はどうやっているのだろうか」という意識が芽生え、「過去の成功体験にとらわれないで行こう」「お客様の期待を超える価値はなんだろう」「私たちでなければならない独自能力は何だろう」といった本質的な会話や、組織の規範にまで遡った取り組みが継続されるようになります。誰かにいわれて(外圧により、競合に対応して)行うのでなく、自らの気づきによって自らを変革できる組織となります。
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