年休は、次の2つの要件をみたした場合に、各労働者に当然に与えられることになっています。�@労働者が６ヶ月以上継続勤務していること、�Aその出勤率が８割以上であること。付与日数は、まず雇い入れから継続勤務６ヶ月で１０日です。労働者が与えられた年休を実際に使うためには、会社に対し、年休を取るのはいつからいつまでかを指定して通知しなければなりません。この時季指定に対し、会社は事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に休暇を与えることができます。また、労使協定で計画的に付与できる年休は、年休日のうち「５日を超える部分」　についてのみであり、年休の消滅時効は２年間ですので、その年度に消化されなかった年休は翌年度まで繰り越しされることになります。

　大多数の企業では、正社員の採用につき、1〜６ヶ月の試用期間を設け、その者の職業能力や企業適応性を評価して本採用するかを決定する制度をとっています。通常の試用は解約権留保付き労働契約と解され、試用中にその者を引き続きその企業に雇用しておくことが適当でないと判断した場合、本採用した社員よりも比較的容易に解雇することができます。ただし、入社してから15日以降に企業がその試用中の者を解雇する場合、３０日以上前に解雇予告を行うか、解雇予告手当(平均賃金の３０日分以上)を支払う必要があります。

　一般的には、職務遂行の妨げにならない軽微な利用については、許容されているようですが、会社は、就業規則に定めるか、通知を出すことにより、その利用を原則として禁止する扱いができます。また、メールについて管理者が適宜保守を行っているという管理の特殊性から、社会通念上逸脱した監視がなされた場合に限りプライバシーの侵害になると解されています。

　懲戒処分のうち減給は、労働者が労務に服したことの対価として受け取るべき賃金のうち一定額を支払わないことです。労働基準法は、減給について「1回の額が平均賃金の１日分の半分を超え、総額が1賃金支払期間における賃金総額の１０分の１を超えてはならない」という制限を設けています。なお、出勤停止に伴う賃金の不支給は、ノーワーク・ノーペイの原則により減給のような制限はありません。