以前ご紹介しました相続手続支援センターが稼動を始めております。相続手続きでチェックすべき点を以下にあげます。

　相続財産の調査が的確でないと、相続手続で様々な問題が生じます。
(1)被相続人が債務超過の場合は相続の放棄や限定承認によって相続債務の負担から免れることができますが、この手続きは相続開始から３ヶ月以内に行なわなければなりません。手続に際しては、まず被相続人が債務超過でないことの確認が大切です。
(2)遺産分割協議が成立した後、新たな相続財産が発見されると改めて分割協議を行なわなければならず手続きが煩わしくなります。
(3)相続税の申告後や税務調査により申告もれ財産がみつかると追徴課税の問題が生じます。

　被相続人の財産を生前から相続人などが管理していた場合にはその把握も比較的容易ですが、そうではない場合には様々な資料を手がかりに財産調査を行なわなければなりません。
(1)被相続人が銀行等の貸金庫を利用していた場合には保管書類等を整理して財産を把握します。
(2)被相続人が所得税の確定申告を行なっていた場合にはその申告内容や「財産債務の明細書」があればそれを参考にします。
(3)預金通帳の入出金をみて、上場会社等からの配当金、証券会社や保険会社からの収受金があればその元本となる財産、その他借入金等を確認します。
(4)名刺ファイル等により、銀行、証券会社、保険会社や不動産関係の取引を想定して関連する財産の有無を調査します。
(5)被相続人が記録していた手帳等があればその記載内容から財産を把握します。

　被相続人の出生時から死亡時までの連続した戸籍謄本を収集して相続人を明らかにすることが必要です。現行の様式は昭和２２年に制定され、戸籍の様式変更により旧戸籍（改製原戸籍）から新戸籍に移記されていますので、通常の場合、改製原戸籍を含めた複数の戸籍が必要になります。
　相続手続支援センターにてご相談を承ります。