日本経済は輸出産業を中心に、息の長い景気回復基調にありました。しかし昨今の金融危機に端を発した世界経済の減速の影響を受け、景気後退の局面に入り長期化・深刻化が懸念されています。
一方で格差社会が一段と進行しています。大企業と中小企業、正規雇用と非正規雇用、都市と地方など、様々な場所で格差がいっそう拡大しているのが現状です。 そのため今年度の税制改正大綱では、昨年までの国・地方自治体の財政の立て直しという観点からの改正から、世界経済の混乱やそれに伴う国内経済の不振から国民生活を守るといったことに重点を置き、今年度からの3年間のうちに景気を回復するため、大胆かつ柔軟な減税措置を講ずると述べられています。 具体的には次のような内容になっています。
1.中小企業対策
(1)平成21年4月1日から平成23年3月31日までに終了する各事業年度における法人税の中小企業等の軽減税率を現行が22%から18%に引き下げられます。
(2)中小企業等に欠損が生じた場合に、その欠損金額をその事業年度開始の日の前1年以内に開始した事業年度に繰り戻して、法人税の還付を求めることができるようになります。 平成4年4月以降、一部の特例を除きこの制度は凍結されていましたが、今回の改正により平成21年2月1日以後に終了する事業年度から復活することになりました。
2.住宅取得・改築等に伴う減税措置
主な改正項目
(1)住宅借入金等特別控除の変更
(2)長期優良住宅の新築等をした場合の特別控除
(3)既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の特別控除。
(4)特定の増改築等に係る住宅借入等の特別控除
(5)住宅借入金特別控除の控除不足分の住民税からの控除。