先月、政府与党により公表された経済危機対策のうち、税制等の措置をご紹介します。

１．中小企業の交際費の限度額引き上げ
　資本金1億円以下の法人にかかる交際費の限度額が従来の400万円から600万円へ引き上げられます。
平成21年4月1日以後に終了する事業年度から適用されます。

２．研究開発税制の拡充
　平成21年度、22年度の税額控除限度額が、法人税額の20%から30%に引き上げられます。
　また、税額控除限度額を超過した金額の繰越期間が1年から3年に延長されます。

３．住宅取得のための贈与税の軽減
　20歳以上の者が親、祖父母等の直系尊属から居住用家屋の取得にあてるために金銭の贈与を受けた場合には、500万円まで贈与税が別枠で非課税となります。
　平成21年と22年の2年間の限定措置となります。

４．エコカーへの買換え等普及促進
　環境対応車の新車購入補助や、自動車重量税、自動車取得税の減免措置があります。

５．グリーン家電の普及加速
　テレビ、エアコン、冷蔵庫の省エネ家電製品を購入した際、価格の5%相当が「エコポイント」として還元されます。

　「特定口座」とは、証券会社が上場株式等の年間取引の損益計算をしてくれる口座のことをいい、特定口座はさらに「源泉徴収あり口座」と「源泉徴収なし口座」の２つに分かれます。
　「一般口座（自分で損益計算の管理をする口座）」から、この特定口座への移行について、原則5月末が期限となり、締切間近です。移行期間終了後は、特定口座の新規開設はできますが、一般口座から特定口座への移行はできなくなります。
　証券税制では、今年から「上場株式等の譲渡損失」と「上場株式等の配当等（所得税7%、住民税3%）」を損益通算して、配当等にかかる税金を軽減できるようになります。上場株式等の譲渡損失と配当等を通算するためには、確定申告が必要です。
　来年からは配当等を「源泉徴収ありの特定口座」で受け入れて、特定口座で生じた譲渡損失と通算できるようになる予定です。
　配当等と譲渡損失を通算するための確定申告がいらなくなるため、源泉徴収あり口座の利便性が今後いっそう増すことになりそうです。