ずっと前から保有していた上場株式等を売却する際に取得価額が不明な場合は、譲渡損益計算時の取得価額は売却代金の5%となり、仮に譲渡の為の手数料等が無い場合は、実に売却代金の95%に相当する金額に課税されます。この救済措置として、上場株式等の取得費の特例(みなし取得価額)があります。
この「みなし取得価額」とは、その売却した上場株式等の平成13年10月1日の終値の80%相当額を指します。実際の取得価額がわかっていても、「みなし取得価額」を選択することができる特例措置であり、どちらを選択するかは自由であるため、取得価額が高い方を選ぶことができます。この特例措置を適用できるのは、平成13年9月30日以前に取得した上場株式等を、平成15年1月1日から平成22年12月31日までの間に譲渡した場合となります。また、特定口座で売却した上場株式等はこの特例を利用できず(一定の場合)、一般口座での売却→確定申告が必要となります。
また、みなし取得価額で計算すると売却損が出る場合には、譲渡損失の繰越控除と合わせて受けることもできます。取得価額不明の上場株式等を保有されている方は、この特例適用につき一度検討されてみてはいかがでしょうか?